毎日忙しく仕事をしているせいか、私は1日があっという間に終わってしまうと感じることがあります。そんな時、一日の終わりに「今日は一体何をしたんだろう?」と振り返ると、思ったよりも仕事が進んでいないような感覚に陥ることがあります。さらに、2、3日経つと過去に何をしていたのか全く思い出せなくなってしまいます。
こんな状況ですから、自分が時間を有効に使っているのか不安になることがあります。今年に入り、どの仕事にどれだけの時間を使っているのかを把握したくなってきました。時間の使い方がわかれば、不安が解消されるだけでなく、今後もっと有効に時間を使えるかもしれません。
そこで私はkintoneを活用し、仕事ごとに使った時間を把握できるアプリ『何してますか』を開発しました。このアプリを通じて、自分の時間の使い方を見える化し、振り返りや改善が容易になることを期待しています。今回のブログでは、このアプリの詳細や効果についてご紹介したいと思います。
2.アプリの詳細説明
『何してますか』アプリは、日々の仕事に要した時間を、簡単に把握することができるkintoneアプリです。以下に、アプリの主要な項目と機能について説明します。以下のデータは、私の実際の仕事の内容と時間を入力しております。
スクリーンショット1
上のスクリーンショット1では、アプリの入力フォーム画面を示しています。次の項目を入力するようにしました。
- 日付:
- 作業を行った日付を選択します。
- 大分類:
- 作業内容に応じた、仕事のカテゴリーを選択します。
- 所要時間:
- その作業にかかった時間を入力します。
- 内容:
- 作業内容の詳細を記述します。
- 小分類
- 作業内容に応じたサブカテゴリーを選択します。
スクリーンショット2
上のスクリーンショット2は、入力したデータを一覧表示した画面です。ここでは、過去に入力した作業時間を一目で確認することができます。また、日付や仕事の大分類などで並び替えや絞り込みができます。
スクリーンショット3
アプリでは、大分類ごとに使った時間をグラフで可視化することができます。
スクリーンショット3は、日単位で大分類ごとに使った時間を表したグラフです。1日の中でどのカテゴリー(大分類)にどれだけの時間を割いているかが一目でわかります。
例えば、4月4日(左から3本目)の多くを占めている紫色の箇所は「勉強」という大分類なのですが(※)、この日は画像生成AIのセミナーを受けていたので、このようなグラフになっています。4月7日(左から6本目)は全体が青です。この日は一日中 kintone 案件の仕事をしていたことがわかります。それと、ちょっと言いにくいのですが、朝から晩まで働いているようで、実際の作業時間は8時間未満ということもわかってきました(汗)
※グラフの下に凡例があります。スクリーンショットでは小さくなってしまいすみません。
スクリーンショット4
スクリーンショット4は、大分類が kintone である作業の内訳を示しています。ここも凡例が小さくですみませんが、「開発/メンテナンス(青)」が44%、「技術系事務(赤)」が32%、「打合せ(緑)」が11%、「バックエンド事務(オレンジ)」が9%、「商談(紫)」が4%だったことがわかります。このように、ある大分類の仕事において、小分類の各作業がどのくらいの割合を占めているのかを把握することができます。
以上の機能を活用することで、自分の時間の使い方を可視化し、振り返りや改善の余地が生まれます。また、時間の使い方を定期的に確認することで、自分の働き方に対する意識が高まり、より効率的な仕事ができるようになるでしょう。
スクリーンショット4のkintoneの仕事では、開発や技術系事務(説明書の作成等)が全体の3/4を占めていることがわかりましたので、価値を生み出す作業の比重が大きくということですので、私としては概ね満足です。ただし、説明書の作成はスクリーンショットを撮ったり画像を加工したりするのに時間がかかるので、改善の余地はあるとは思います。文章はChatGPTの支援を受け、画像の加工と合わせて外注するのもよいかもしれません。
スクリーンショット5
スクリーンショット5は、月単位で大分類ごとに使った時間をグラフ化した様子です。このグラフを利用することで、長期的な視点での時間配分や傾向を把握します。これにより、仕事のプライオリティを見直し、効果的な仕事の進め方について考察できます。
スクリーンショット6
グラフの各部分はクリックすることができます。スクリーンショット6は、「スクリーンショット5の2023年3月(左から3本目)の赤色部分」をクリックしたときに表示された一覧画面です。つまり、クリックした赤色部分を構成するデータを一覧にできるのです。この機能により、どのようなことに時間をかけているのかを具体的に知ることができます。しなくてもよかった作業があれば、それを行わずにすむ方法を考えることができます。
この『何してますか』アプリを使って、時間の使い方を見える化し、自分の仕事の進行状況や効率を向上させることが期待できます。このアプリのテンプレートファイル「何してますかアプリ.zip」を下に載せておきますので、よろしければ、みなさんがお使いのkintoneに読み込んで利用してみてください。(ご質問があればお問合せフォームよりお願いします)
何してますかアプリ.zip
3.kintoneの有用性
ここでは『何してますか』アプリを例にとって、kintoneの主な有用性について説明します。
(1)カスタマイズの容易さ
スクリーンショット7
kintoneでは、項目の部品(スクリーンショット7の左側)をドラッグ&ドロップして右側のエリアに配置していきます。つまり、自分の仕事に合わせたアプリを簡単に構築できるのです。運用を開始した後でも項目を追加したり、項目名を変更したりできます。
例えば、誰が行った仕事なのかを入力するように「担当者」などという項目を追加すれば、従業員ごとの仕事内容を把握できるようになります。
(2)データの一元管理
スクリーンショット8
kintoneを使えば、アプリ内でデータを一元管理することができます。『何してますか』アプリでは、作業時間や内容などの情報が一覧表示され、整理された形で保存されます。
スクリーンショット8では、大分類として「事務」を検索した結果を「一覧」のひとつとして保存し(すると、いつでもこの一覧を呼び出せます)、実際に呼び出した様子です。過去に行った事務仕事が一覧になっていますので、どういう事務仕事があるのかを把握したり、もったいない時間の使い方をしていないかなどをチェックできます。このように、過去の作業内容を簡単に検索・参照でき、データ管理から効果を生み出す可能性を秘めています。
(3)グラフ機能による可視化
kintoneでは、データをグラフ化する機能が提供されています。『何してますか』アプリでは、作業時間のグラフを作成して、時間の使い方を可視化しました。ユーザーは自分の時間管理を客観的に把握し、振り返りや改善が容易になります。
(4)スマートフォン対応
スクリーンショット9
kintoneは、スマートフォンやタブレットでも利用可能です。外出先や移動中でも手軽に仕事の記録や確認ができます。
(5)拡張性
アプリは他のアプリと連携することができます。例えば、別途『顧客管理アプリ』を作成し、顧客名とその連絡先等を管理するようにしたとします。このとき、『何してますか』アプリと連携するようにすれば、どの仕事がどの顧客の仕事だったかも把握できるようになります。各顧客ごとにどれだけ時間をかけているかもグラフにすれば、そこから見えてくることもあるでしょう。
(6)情報セキュリティ
kintoneは、データの安全性を重視した設計がされており、個人情報や業務データを安全に管理できます。『何してますか』アプリでも、個人の作業履歴や情報が適切に保護されています。
以上のように、kintoneの有用性を活かすことで、『何してますか』アプリは効率的な時間管理や振り返りをサポートし、ユーザーにとって価値のあるツールとなっていきます。自分に最適なアプリを構築し、データ管理や分析が容易になり、日々の仕事や生活の質を向上させることが期待できます。
クラウドベースであるため、どこからでもアクセスが可能で、データの共有やコラボレーションもスムーズに行えるというメリットもあります。
『何してますか』アプリを通じて、kintoneの有用性がどのように活かされているかが理解していただけたでしょうか。kintoneを用いて、あなたも自身のニーズに合わせたアプリを作成してみませんか。
4.まとめ
本記事では、kintoneを用いて作成された『何してますか』アプリを紹介し、その機能や利点、kintoneの有用性について解説しました。このアプリを使うことで、自分の仕事にかかる時間を把握し、振り返りや改善を行う余地が生まれます。
また、kintoneの柔軟性を活用して、独自のアプリを作成し、データ管理や分析を効率的に行うことを示しました。
kintoneでは、作成したアプリを、kintoneの機能や拡張性を活かして、ビジネスの成長に合わせて進化させることができます。みなさんもご自身のニーズに合わせたアプリを作成して、より効果的で充実した日々を送ることができればよいなと思っております。
補足